わずか300円で「婚活」が始められる自販機

未婚化・晩婚化解消の起爆剤になる?

JR蒲田駅東口から徒歩5分ほどの飲み屋街の一角に婚活自販機は存在した

 外出自粛を余儀なくされたコロナ禍の影響もあり、2021年の日本全体の婚姻件数は、戦後最少を更新する約50万件。こうした中、今年4月には、政府が新たに「こども家庭庁」を創設し、少子化対策の一環として、結婚支援の強化に乗り出すなど、日本人の「晩婚化・未婚化」はますます深刻化している‥‥。

「結婚は日本人の大半が人生において一度は経験する一大イベントでしたが、ライフスタイルの変化などにより、いまや実に男性の4人に1人、女性の6人に1人が生涯未婚とされています」(婚活アドバイザー)

 しかし、その一方でコロナ禍がひと段落し、恋愛や結婚につながる新しい出会いを求める人たちも増え始めているという。

「給料は上がらないのに、すべての物価が値上がりし、このまま独りで生きていくのは、精神的にも経済的につらいと結婚を希望する人は、男女ともに増えていますね。現在の恋活・婚活ツールの主流はマッチングアプリです。オンライン恋活・婚活の23年の国内市場規模は788億円にまで成長。28年には860億円にまで拡大する見込みです(前出・婚活アドバイザー)

 このようにマッチングアプリ全盛の中、いま東京・蒲田に一風変わった激安の婚活サービスがあり話題になっているという。誰もが手軽に簡単に婚活が始められる〝婚活専門の自動販売機〟が存在するというのだ。早速、記者が古き良き昭和の風情が残る歓楽街の一画に足を運ぶと〝ソレ〟は実在した。

 黄色い壁面に設置されているピンク色の看板には〈結婚恋愛相談書〉の文字が大きく書かれている。立ち並ぶ自販機の横をかいくぐり建物の奥へと進むと‥‥。

〈インターネットで話題の自動販売機結婚相談所〉〈この缶を300円で購入すると入会費 年会費 無料です〉とある。

 大手の結婚相談所の入会費は、だいたい10万円〜30万円が相場である。たったの300円で本当に婚活ができるのだろうか‥‥。恐る恐る100円玉を3枚投入し、ボタンを押してみると、問い合わせ先の電話番号などが記載されたラベルが貼られた緑茶缶が出てきた。

 いったい、どんなシステムなのか? 運営者に話を聞いた。

「わたしは、都議選にも出馬しているし、政治に関心があって、特に、少子化問題に取り組みたいと思っていてね。それで婚活自販機を思いついて始めたんですよ」

−−これまでに成婚したことはあるのか?

「いろいろ試行錯誤していて、今年8月にリニューアルしたばかり。おかげさまで、こうやってメディアにも取材してもらって、反響はありますよ。ただ、いまは結婚希望者を募っている段階なので、まだ成婚には至っていません。目下、準備中です。来年1月くらいには、ことも進んでいるはずなので、具体的な説明ができると思う。そのときにまた連絡してくださいよ」

 果たして300円で人生の伴侶に出会うことはできるのか‥‥。

取材・文/大崎量平 「週刊アサヒ芸能」2023年10月5日号 初稿


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